ドローンで撮った画像から森林の3Dモデル作成 | 高野の森をWebODMで解析

ドローンで撮った画像から森林の3Dモデル作成

高野の森をWebODMで解析してみた

2025年7月13日 | 無料OSS活用 | SfM技術
ドローンで撮影したホオノキ

🌲 高野の森でドローン撮影

今回は 高野にある岡田さんの森 でドローンを飛ばして、撮影した写真から森の3Dモデルを作ってみました。

自動飛行のプログラムは Dronelink で作成したものを使用。決められたルートを自動で飛行して、きれいに写真を撮影してくれます。

63枚
撮影写真数
5分54秒
飛行時間
0.037km²
調査エリア
4.1cm
解像度精度
飛行経路マップ

青線: 飛行経路、赤点: 撮影位置、緑枠: カバレッジエリア(235m × 191m)

📸 SfM技術って何?

SfM(Structure from Motion) とは、複数の写真から3D形状を復元する技術のことです。

簡単に言うと、 色々な角度から撮った写真を組み合わせて、立体的な3Dモデルを作り出す 魔法のような技術。人間が両目で物を見て距離感を掴むのと似たような原理です。

🔬 SfMの仕組み

① 写真から特徴点を検出 → ② 複数写真間で同じ点を見つける → ③ カメラの位置を推定 → ④ 3D座標を計算 → ⑤ 立体モデル完成!

🛠️ WebODMで無料3D処理

今回使ったのは WebODM というオープンソースソフトウェア(OSS)です。

なんと 完全無料 で、プロレベルの3D処理ができてしまいます。Dockerで簡単に動かせるのも魅力的。

💻 処理環境

42分26秒
総処理時間
100%
画像再構築率
835万点
生成点群数

ノートパソコンで1時間ほど動かすだけで、こんなにすごい結果が得られるなんて、 これが無料でできるのは本当にすごい ですね。

🎯 できあがった成果物

📷 オルソフォト

オルソフォト

上空から真下を見下ろした歪みのない地図のような写真

通常の写真は遠近感で歪みがありますが、オルソフォトは 真上から見た正確な地図 として使えます。

🗻 3D地形データ

標高カラーマップ

標高差を色で表現した地形モデル(616m-801m)

森の高低差や地形の起伏が 色で一目瞭然 。標高差は約185mもありました。

📊 どのくらい正確?

今回の測量結果の精度はこんな感じでした:

4.1cm
平均解像度
0.3m
水平精度
0.4m
垂直精度

4.1cm精度 というのは、地面の小さな凹凸や木の詳細まで把握できるレベル。これが趣味レベルの機材と無料ソフトで実現できるのは驚きです。

飛行経路マップ

2、3、4、5+は画像重複度 青色に近いほど多くの画像に移っている高精度の場所ということ

✨ まとめ:無料でここまでできる時代

今回の森林3Dモデル作成で分かったことは、 現在の技術では驚くほど簡単に高精度な測量ができる ということです。

💡 必要だったもの

  • ドローン(DJI製など一般的なもの)
  • 自動飛行アプリ(Dronelink)
  • 処理用パソコン(普通のノートPCでOK、ただしメモリは12Gb以上)
  • WebODM(完全無料のOSS)

高額なソフトは一切不要 。オープンソースの力って本当にすごいですね。

🚧

3Dモデルは現在圧縮処理中...

インタラクティブな3Dモデルの表示は、データ圧縮処理に時間がかかっているため次回の記事で公開予定です。お楽しみに!